おーらい黒田屋

イベント情報

黒田の京みち 復活ウォーク 無事終了

黒田の「トロ峠」は、昔から「京みち」と呼ばれてきた古道。
宮中直轄の「禁裏領」であった平安時代から、この道を通って四季折々の産物が宮中へ献上され、また、炭などが貴船や鞍馬の問屋に納められたと伝えられます。

昭和30年代、バス路線が灰屋まで延伸して人々がこの峠を行き交うことがなくなり、以来約60年。
枯れた倒木が道をふさぎ、豪雨で流され道は放置され、やがて人々の記憶からも消えて行くのではないかと危惧されました。
千年の古道を復活させて後世に伝えたいと、有志でつくる「黒田・京みちの会」の呼びかけで、このほど地域の人たちの協力で倒木が取り除かれ、古道がよみがえりました。

11月5日、黒田ふれあいまつりの開催に合わせて、通り初めが行われました。
出発前に、宮坂峠の登り口で、地元春日神社の宮司による安全祈願の神事が行われました。

海抜325mの宮地区から、目指す655mのトロ峠頂上までは標高差330m。
参加者は、中学生から80歳の女性まで、京北地域、京都市、大津市、大阪・守口市からの28人で、古道の面影が随所に残る峠道をゆっくり進みました。

トロ峠頂上から、左に折れ、尾根伝いに少し東に進むと、眼下に宮の集落の一部が見えてきました。
向かいの山の広葉樹はすでに色づき、冷たい風が吹き付けてきます。
「黒田ふれあいまつり」の音響が、風に乗ってはっきりと聞こえます。
遠くには、標高600~700mの丹波高原国定公園の山並みがひろがります。
淀川水系と由良川水系の分水嶺の山々です。

下山して、「黒田ふれあいまつり」の会場で、振舞い餅や餅まきを楽しんだ後、黒田基幹集落センターで参加者の意見交換会を開きました。
第二次世界大戦中にトロ峠頂上近くに設置されていた「黒田防空監視哨」で米軍機襲来の監視にあたった経験のある古老のインタビュービデオを視聴するなどしました。
参加者からは、「古道の雰囲気が十分に感じられる峠道。今日はいい道を歩かせていただいた」、「地域の人たちの熱い思いが十分伝わってきた」といった感想をいただきました。

参加していただいたみなさん、ありがとうございました。