黒田の京みち、みんなで歩いてきました。
11月19日。今季初の寒波襲来で朝から時雨模様。
復活した古道「黒田の京みち」を地元のみんなで歩こう!と呼びかけ、
朝からの雨と寒さで参加を断念した人もいましたが、20人がウォーキングに参加しました。
午後1時、稲荷山の上り口を出発。
「京みち」は、平安の昔から人々が踏み固めた都へとつづく古道。
黒田の宮、下黒田の集落と灰屋の集落を結ぶ最短ルート、トロ峠です。
峠の中腹から少し脇に入ると、上黒田の吉野、水野辺りが見通せます。
出発から1時間あまり。頂上が近付いてきました。
トロ峠の頂上は、標高658m。
峠の頂上から、北東へ尾根道を少し進むと、眼下に宮地区の一部が見えます。
遠くの山並みは丹波山地。丹波広域基幹林道も確認できます。
淀川水系と由良川水系の分水嶺の山々です。
戦時中の黒田防空監視哨の跡へと向かいます。峠の頂上から南へ15分ほど上っていきます。
監視哨跡を確認して、灰屋山の三角点で記念撮影。標高は732.8m。
冷たい風が吹きつけ、時折白いものが舞っていました。
このあと、45分ほどかけて灰屋へと下りました。
寄り道をしながら約3時間の行程でした。みなさんお疲れ様でした。
黒田の京みち 復活ウォーク 無事終了
黒田の「トロ峠」は、昔から「京みち」と呼ばれてきた古道。
宮中直轄の「禁裏領」であった平安時代から、この道を通って四季折々の産物が宮中へ献上され、また、炭などが貴船や鞍馬の問屋に納められたと伝えられます。
昭和30年代、バス路線が灰屋まで延伸して人々がこの峠を行き交うことがなくなり、以来約60年。
枯れた倒木が道をふさぎ、豪雨で流され道は放置され、やがて人々の記憶からも消えて行くのではないかと危惧されました。
千年の古道を復活させて後世に伝えたいと、有志でつくる「黒田・京みちの会」の呼びかけで、このほど地域の人たちの協力で倒木が取り除かれ、古道がよみがえりました。
11月5日、黒田ふれあいまつりの開催に合わせて、通り初めが行われました。
出発前に、宮坂峠の登り口で、地元春日神社の宮司による安全祈願の神事が行われました。
海抜325mの宮地区から、目指す655mのトロ峠頂上までは標高差330m。
参加者は、中学生から80歳の女性まで、京北地域、京都市、大津市、大阪・守口市からの28人で、古道の面影が随所に残る峠道をゆっくり進みました。
トロ峠頂上から、左に折れ、尾根伝いに少し東に進むと、眼下に宮の集落の一部が見えてきました。
向かいの山の広葉樹はすでに色づき、冷たい風が吹き付けてきます。
「黒田ふれあいまつり」の音響が、風に乗ってはっきりと聞こえます。
遠くには、標高600~700mの丹波高原国定公園の山並みがひろがります。
淀川水系と由良川水系の分水嶺の山々です。
下山して、「黒田ふれあいまつり」の会場で、振舞い餅や餅まきを楽しんだ後、黒田基幹集落センターで参加者の意見交換会を開きました。
第二次世界大戦中にトロ峠頂上近くに設置されていた「黒田防空監視哨」で米軍機襲来の監視にあたった経験のある古老のインタビュービデオを視聴するなどしました。
参加者からは、「古道の雰囲気が十分に感じられる峠道。今日はいい道を歩かせていただいた」、「地域の人たちの熱い思いが十分伝わってきた」といった感想をいただきました。
参加していただいたみなさん、ありがとうございました。
黒田ふれあいまつりにお越しいただきありがとうございました。
11月5日(日)、前日からの雨が未明に上がり次第に好天に。
“秋の黒田ににぎわいを”と、地域住民の交流を目的に、当初は野菜市として始まったこのイベントも23回目。
ことしも多くの皆さんにお越しいただき、無事終了しました。
人気の一番は、やはり「新鮮やさい市」。
午前9時半の販売開始とともに、遠方からの人、地域の人達が次々とやってきて地元産の野菜を買い求めていました。
ことしは、京北ふるさとバスにお願いして、周山から臨時便を運行してもらいました。
みなさん、たくさんのお買い上げありがとうございます。
野菜1,000円をお買い上げいただくと1回の抽選が。
特等・俵入りの新米10キロはどなたの手に?
ふれあいステージのパフォーマンスは、おなじみ「ツッキーズ」のオカリナデュオから。
癒しのハーモニーが里の秋に沁み込んで行くようです。
京北第二小学校の黒田っ子ダンス。ことしは6人で元気いっぱい。
「よさこいソーラン!」が初登場。黒田を元気にと。
京北在住の歌三線奏者・にいじゅんさんがことしも出演。
「おーらい黒田屋」の談話室には、黒田っ子の作品が展示されました。
フィナーレが近付き、恒例の杵つき餅の振る舞いが…。
そしてしめくくりは、めでたく「餅まき」。
その背景に、「黒田百年桜」がことしは綺麗な色づきを見せていました。
住民手作りのイベントで、後片付けも手慣れたもの。
皆さん大変ご苦労さまでした。
「黒田ふれあいまつり」を11月5日(日)に開催します。
※このイベントは終了しました※
元気だ!くろだ! ~おいしい秋,見ぃつけた!~
ことしも「黒田ふれあいまつり」を開催します。
“秋の黒田ににぎわいを”と始まったこのイベントも今年で23回目を迎えます。
地元産の野菜を格安で販売する「新鮮やさい市」のほか,ジビエ料理(猪鍋・猪焼肉・鹿ワイン煮),本格窯焼きピザなどの販売を行います。
また,地域住民の交流の場としてステージイベントやゲーム大会をはじめ,餅つき体験や餅まき,新米抽選会(新鮮やさい市にて1,000円以上お買い上げで1回抽選),バザー等も併催します。
特に新鮮やさい市や新米の抽選会は毎年好評をいただいており,京北地域内はもとより京都市街からも多くの方にご来場いただいております。秋の黒田をぜひ満喫してください!
【日時】
11月5日(日) 午前9時半~午後2時半
【プログラム】
【会場】
「おーらい黒田屋」前広場、特設会場
【交通】
■お車をご利用の場合
JR京都駅,名神高速京都南インターチェンジから約1時間半
(国道162号線で周山まで,周山から国道477号線を利用)
*無料駐車場あり(60台程度駐車可)
■公共交通機関ご利用の場合
JR京都駅から西日本JRバス「高雄・京北線」にて終点「周山」下車,周山から「京北ふるさとバス」にて「宮」バス停下車すぐ。
所要時間 JRバス:約1時間半 京北ふるさとバス:約30分
*所要時間はあくまで目安となります。交通状況により到着時間が前後することも考えられますのでご了承願います。
【主催】
黒田ふれあいまつり実行委員会
【お問い合わせ】
おーらい黒田屋
京都市右京区京北宮町宮野93-2
電話・ファクス 075-856-0968
営業時間 10:00~16:00
定休日 毎週月曜日,祝日(季節や催しによって営業します。
ウェブサイト https://ohraikurodaya.sakura.ne.jp
» お問い合わせフォーム
みなさまのご来場をお待ちしています。
黒田の古道「京みち」復活!
※このイベントは終了しました※
1.黒田の京みち・トロ峠
右京区京北黒田に「トロ峠」という山道があります。
黒田の宮町、下黒田町の集落と灰屋町の集落を最短で結ぶ峠道です。
標高は658m。地元では昔から「京道(きょうみち)」と呼ばれてきました。
上桂川の上流域に位置する山国や黒田は、平安時代から木材の供給地として「禁裏御料地」、すなわち宮中の直轄地となり、「山国荘」と呼ばれました。
本郷・山国に対し、黒田や小塩、広河原などは、その枝郷とされ、「奥山」とも呼ばれたそうです。
室町中期から江戸末期まで、天皇の側近の女官が書き継いだ日々の記録「御湯殿上日記(おゆどののうえにっき)」には、「くろたよりかちん(=餅)まいる」「くろたよりあゆ(鮎)まいる」などと記され、餅や粽、鮎、柿、檜皮(ひはだ)、樒(しきみ)など四季折々の産物が、黒田からも頻繁に宮中に届けられたことが記されています。
黒田から都までは、山道を歩いて片道6~7時間。その昔、炭俵を背負い、芹生峠を越えて貴船の炭問屋、あるいは芹生から花背峠を越え、鞍馬の炭問屋に納められたと伝えられています。
京みち・トロ峠は、平安京へ物資を送るため人々が踏みならした「古道」です。
2.通行不能で50年来放置されてきた
戦後間もない頃、黒田小学校の児童は、トロ峠を越えて貴船口まで歩き、鞍馬電車に乗って修学旅行に出かけたそうです。目的地は琵琶湖だったといいます。
昭和30年代に入ると府道も整備され、灰屋まで路線バス(当時の国鉄バス)が通うようになり、トロ峠は利用されなくなりました。
その後は倒木や豪雨災害が重なり、通行不能のままこれまで放置されてきました。
3.人気の北山歩き
近年、団塊世代のリタイア組や高齢の「山ガール」を中心に、「北山歩き」や、自然や歴史、文化に触れる「京都一周トレイル」のトレッキングが盛況です。
京都一周トレイルは、伏見桃山から、比叡山、大原、鞍馬を経て、高雄、嵐山、苔寺に至る京都の三山を散策できる全長約83.3キロの「京都一周トレイルコース」と、豊かな森林や清流、田園風景に恵まれた京北地域をめぐる全長約48.7キロの「京北一周トレイルコース」からなり、多くの観光客や市民に親しまれています。
休日ともなると、貴船、二ノ瀬、雲ケ畑から滝谷峠、魚谷峠、石仏峠、祖父谷峠、さらに桟敷ヶ岳、天童山などをめざす多くの北山歩きのグループが行き交っています。
また、マウンテンバイクで山岳縦走を楽しむ人もいるようです。
4.トロ峠の「黒田防空監視哨」
第二次世界大戦中、米軍の本土来襲に備え、敵機を監視する「防空監視哨」が府内33カ所に置かれました。トロ峠の頂上の近くにも「黒田監視哨」が設置されました。
監視隊員は、主に地域の青年団員があたり、1班は6人編成で、黒田で2班、山国で1班が編成され、3日に一回の当番で、毎朝7時に引き継ぐと翌朝まで24時間、6人が交替で監視にあたりました。
監視哨には、京都府庁の京都監視隊本部に直結した有線電話が備えられていて、敵機が認められると直ちに報告され、師団司令部から京都市域にも空襲警報が発令されるなど、防空体制が整えられたといいます。
当時小学生だった古老の記憶では黒田監視哨は次の図のようなものであったということです。
また、当時、監視哨の哨長を務めていた故人の家には、「航空機爆音」というSP盤レコードが残されています。
内務省防空研究所や海軍技術研究所の製作で、ラベルには防空監視哨員訓練用、米機ロッキードハドソン、米機マーチンなどと記され、飛行機のエンジン音が録音さています。
その音を耳に焼き付けて監視にあたっていたと見られます。
5.「黒田・京みちの会」の願い
平安の昔から都に物資を送り、地域住民の生活を支えてきた古道のひとつ、トロ峠。
荒れたまま放置され、やがてその存在も忘れ去られるのではないか。
地元の有志でつくる「京みちの会」では、地域の歴史遺産ともいえるこの峠道を再整備し、また幻の戦時資料ともいえる「黒田監視哨」を再現して、次世代に引き継ぎたいと考えています。
そして、北山歩きを楽しむ人たちには、安全に足を延ばして散策してもらえるようにし、豊かな自然に触れ、地域の歴史や暮らしぶりに思いを馳せることができる新たなルートを提供したいと考えています。
(片波川源流域の伏条台杉群・京都府天然記念物)
黒田には、京都府指定天然記念物「片波川源流域の伏条台杉群」があります。
西日本屈指の巨大杉の群落は、長岡京造営時から上桂川の水運を利用して木材を都に搬出してきたこの地域の林業の歴史を雄弁に物語っています。
これらを貴重な観光資源とし、黒田のみならず、桂川上流域全体の活性化の一助となることを期待しています。
新たな観光客を誘引し、この地域への関心がさらに高まり、移住・定住がさらに進んで、ふるさと・黒田が将来、限界集落から消滅集落へと進むようなことがないよう、切に願っています。
黒田の「京みち」トロ峠・通り初め
2017年11月5日(日)10:30~13:00
主催:黒田・京みちの会
・旧黒田小学校グラウンド集合(10:30)
・古道の開通を祝い往来の安全を祈願(春日神社宮司)
・黒田防空監視哨跡へ出発
・トロ峠頂上付近で、黒田や山国の眺望も
・下山後、「黒田ふれあいまつり」で出店やふるまい餅、餅まきを
・休憩後、黒田の歴史のお話や監視哨経験者の証言ビデオを視聴
(会場:黒田基幹集落センター)
当日は、京北ふるさとバス臨時便増発 ≪9:30周山発、14:00黒田・宮発≫
7:50京都駅発、9:17周山着のJRバスから接続。
京都駅で「周山フリー乗車券」を購入すると往復料金2,360円が1,850円に。
「周山フリー乗車券」の購入者は、京北ふるさとバスの「京北一日フリー乗車券」(500円)が購入でき、京都駅と黒田間の往復料金は計3,620円が2,350円に!
黒田ふれあいまつりにお越しの方も、臨時便をご利用ください。
「京みち通り初め」の参加希望者は事前に電話でお申込みください。
傷害保険の手続きをしますので、氏名、住所、連絡先の電話番号をお伝えください。
お申込みは、おーらい黒田屋 075-856-0968、または黒田・京みちの会事務局 090-7354-4224まで。
下記お申込みフォームからもお申込みいただけます。
お申し込みフォーム
黒田の京みち復活の取り組みが京都新聞に紹介されました。
⇒こちら