おーらい黒田屋

黒田の見どころ

黒田百年桜

宮町の春日神社の脇ある「黒田百年桜」は、ヤマザクラの突然変異種で、樹齢は300余年ともいわれます。
10~12枚の八重の中に一重が交じる珍種で、「京の桜守」として知られる造園業の佐野藤右衛門親子が30年に及ぶ執念により苗づくりに成功し、15代目佐野藤右衛門氏がこの幻の品種を「黒田百年」と命名しました。
昭和58年に大阪造幣局の「通り抜け」百年を記念して若木2本が同局内に植樹され、以来この親木も「黒田百年桜」として広く親しまれるようになりました。
京都市域では最後のお花見を楽しめる桜として、毎年多くの見物客が訪れます。
4月中~下旬には「黒田百年桜まつり」が催され、開花期間中はライトアップされます。
「おーらい黒田屋」では期間中、よもぎ餅や栃餅、鯖寿司、ちらし寿司、地元特産品などの販売をしています。
⇒黒田百年桜の開花状況はこちら

片波川源流域の伏条台杉群(千年の森)

西日本屈指の巨大杉群落の森で、平成11年3月に「京都府自然環境保全地域」第1号として指定されました。
標高は470~860m、総面積は106.63haです。
保全地域のうち、学術調査以外は立入禁止の特別区・野生動植物保護区は35.60ha。案内人同伴で観察可能な京都府天然記念物指定地で伏条台杉群生地(ガイドウォーク区域)は13.08haあります。
幹周り15mを超える「平安杉」や樹高32mの「谷守杉」をはじめとして、直径1mを超えるアシウスギが約250本残存しています。
ガイドウォークの所要時間は3~4時間で、片波川源流域の自然観察や案内の受付は「おーらい黒田屋」が行っています。

黒田発電所(先進的事業・黒田発電所とトンネル開通)

黒田では、明治39年に発電所の建設が始まり、約4㎞にも及ぶ発電用水路の工事が進められ、同43年に京都府内5番目の水力発電所として黒田発電所の運用が開始されました。
前年の明治42年には、明治期のトンネルとしては数少ない「黒田隧道」が開通しています。
いずれも、琵琶湖疏水や蹴上発電所の建設技術と技術者が、他に先駆けて導入された先進的な事業でした。
当時の黒田村は、牛車の通る新しい橋をかけ、道の拡幅工事も進められ、村づくりの最盛期でもありました。

丹波広域基幹林道と層状チャート

丹波広域基幹林道は、京都市左京区花脊大布施町から京丹波町下山まで、京都府中部の森林地帯を東西に結ぶ延長65.4㎞の林道で、約30年をかけて2014年10月に全線が開通しました。
見晴らしの良いところから南の方を望むと、比叡山から京都北山の連山、愛宕山の眺望が楽しめます。
黒田地域から進入道路「市道片波線」を上がっていくと、片波川源流域伏条台杉群の自然観察エリアの入り口があり、さらに広域林道に向かって進むと、林道工事に伴って現れた層状チャートが露頭しています。
層状チャートは、赤道辺りの海の底に堆積したプランクトンの死骸や泥の層が重なってできた岩で、1ミリの厚さに堆積するのに平均3,000年かかるといわれます。
チャートが形成されたと考えられる「ジュラ紀」は約1億9,500万年前から約1億3,500万年前で、海ではアンモナイトやプランクトンが繁栄し、地上では恐竜が進化を遂げた時代といわれます。京都の北山の地質は主にチャートで形成されています。

千年の古道・黒田の京みち

「京みち」は、トロ峠(658m)を越え、芹生、貴船を経て京の都へと通じる古道です。平安の昔から木炭などの産物がこの道を通って都へ送られました。
トロ峠は、宮・下黒田と灰屋の集落を結ぶ山道で、かつて黒田の小学生は徒歩で峠を越え、貴船口から電車に乗って修学旅行に出かけました。路線バスの普及によって使われなくなり通行不能になっていましたが、2017年に住民の手で約60年ぶりに蘇りました。
トロ峠の頂上から南へ尾根道を上ったところに、第二次大戦中、敵機の来襲に備え「黒田防空監視哨」が設けられていました。京都府庁の監視隊本部への直通電話が設置されていて、敵機接近が報告されると師団司令部から京都市域に空襲警報が発令されました。
2018年、歴史を伝えようと模擬櫓(やぐら)が造られました。
このほか、樹齢数百年の杉や檜、広葉樹と赤松、株山桜の群生、上桂川の美しい景色が楽しめる吉野山自然観察の森、稲荷山からの眺望、地蔵院の梅花、蛭子神社の桜、黒田小学校記念碑、芹生街道渓谷、芹生の里など、自然豊かな四季折々の里山の景色を楽しめます。